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博多口から外に出たオカルト部一同だが、ここで古川が重大なことに気づいた。
「そういえば、何をすればいいのかしら?」
「あ・・」
「確かに・・」
今までの試練は行き先+条件がセットであった。
しかし、今回の最終試練では行き先しか指定されていない。
もちろん、僕たちが見落としていなければの話だが。
『こちらはIoH管理局です。古川瞳様。新谷翔様。今山守様。長旅ご苦労様でした。ここからは私がご案内させていただきます』
タイミングを見計らったかのように、管理局のアナウンスが流れる。
それと同時に、IoHの地図上に一つのポイントが設定された。
更に、そのポイントまでの道のりが、視覚情報として現実世界に重ねて映し出される。
「乗れっちゅうわけか・・・」
「そうみたいですね」
その場所には一台のタクシーが停まっていた。
「今さらビビってもしょうがないでしょ!」
人類をジャックするような奴が用意したタクシー。
どのような細工がされているか分かったものではない。
臆病な僕の脳が全身に危険信号を送る。
たが。
「行くしかないですね」
「よし、守。よく言った」
『だから帰る』などといった選択は通用しない。
これは、帰る場所を取り戻すための試練なのだから。
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