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「ノイズに、謎の少年に、その両親ねえ・・・」
「うーん。謎やなー」
東京タワーと清水寺で起きた不思議な現象を、僕は
先輩たちに打ち明けた。
別に隠すつもりはなかったのだが、ここまで話すタイミングがなかったのだ。
「やっぱり先輩たちには見えてなかったんですね」
「そうね。私はなにも見てないわ」
「俺もや」
僕にだけ起きた謎の現象。
これも管理局の仕業なのだろうか。
「まあ、場所やタイミングからみて、今回のジャックとなんかしらの関係はあるやろな」
「ですよね」
新谷の指摘は尤もだと思うのだが、その目的が判らない。
ヒントなのか罠なのか
善意なのか悪意なのか。
こうして試練をクリアしてきたわけだが、管理局を名乗る者の真意は未だに謎のままだ。
「まあ、目的地に着けば全て分かるはずよ」
「そうやな」
「ですね」
お互いの抱えきれない不安をお互いに背負いながら。
オカルト部を乗せたタクシーは、薄暗くなってきた街を走り続けた。
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