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「おっ、そろそろ時間やな」
雑誌を読み終えた新谷が、椅子を回転させて立ち上がる。
すると、
「あんのうんなっくる!!」
「ぐはっ!」
突如、拳を突き出した古川の一撃が新谷の急所に直撃。
新谷は言葉にならない悲鳴を上げながら、その場にうずくまってしまった。
「あ・・・ごめん」
古川も流石に悪いと思ったのか、珍しく素直に謝っている。
「先輩、さっきのって主人公の武がライバルの智に放った、渾身の必殺技。『未知の拳(アンノウンナックル)』ですよね」
「守、もしかして『ひゃっぱー』だったの!?」
「はい!漫画全巻揃えてますよ」
「こんな身近に同志がいたなんて・・・」
「いや、俺の心配は!?」
悲痛な声をあげる新谷をよそに、おわりの百歩トークで盛り上がる2人。
ちなみに、『ひゃっぱー』とはおわりの百歩のファンの呼称だ。
そんなカオスな状況の新谷の部屋に、
『こちらはIoH管理局です。古川瞳様。新谷翔様。今山守様。大変お待たせしました。最終試練の内容をお知らせします』
あいも変わらず感情の見えない合成音が届いた。
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