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 銀河が満天を染めた。星の海に浮かんでいるような感覚にとらわれる。  やがて、ホテルの最上階にサファイア色の光点がぽつぽつと灯りはじめた。光点は途切れたり繋がったりしているだけで、一見すると窓辺を彩るキャンドルライトだ。  ライトが数字を意味しているなら、数列のような規則性があるはず。或いは、光の色に含みがあるのだろうか。ここから見える窓の数は11コ。明るい窓の数は6コ、暗い窓は5コ。並びは・・・  明、暗、暗、明、暗、明、明、暗、明、暗、明。  これを数字に置き換えるとしたら、どうなる?  例えば明は<1>暗は<0>。  10010110101・・・ん、これは?  俺はポケットから携帯用簡易パソコンを取り出して、11桁の数字を打ち込んだ。 「12階の5号室?」  俺は仮説を言った。 「正解です! おめでとうございます!」  小林アキラが拍手した。  最上階を見上げると、次の招待客用に、窓の光の位置が変わっていた。  俺はみんなに告げた。 「窓の光を2進数にして、それを10進数に置換すれば、答えが出るよ」  かくして、俺は100両金貨を獲得できたのである。  三週間後、俺は島の感染症にかかったことが判明し(あの部屋はやはりフツーではなかった)、しかも激震に見舞われた。  ビエンチャン海淵の鉱床から、膨大な金鉱脈が発見されたのだ。  金の価値が大暴落したことはいうまでもない。  
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