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「ありがと、けいちゃん」
「けど、浮気だけはするなよ」
一転して、眼力を込めて、けいちゃんはあたしに釘を刺す。
「し、しないですよ」
「ホントに? ジャズサーにカッコいい先輩とかいなかった?」
にやりと笑って、けいちゃんはあたしの身体をソファに押し倒す。どうして突然Sモード入るかな。
「あ、いた!」
「へえ。どんなやつ?」
「けいちゃんに似てた! 笑ったカオとか、しゃべり方とか。ちょっとドキってしちゃった」
「……」
けいちゃんはなんとも言えない顔であたしを見下ろす。そんなけいちゃんの頬に両手を添えて、あたしの方に引き寄せた。
「でも、あたしやっぱりけいちゃんの顔がいちばん好き」
恥ずかしいから早口でささっと言って、ちゅってけいちゃんの唇にキスする。
「お前マジで天然小悪魔」
けいちゃんはぼそっと呟いてから、お返しと言わんばかりに、今度はあたしの唇に唇を押し付けてきた。ずっと塞がれ続けて、苦しさに開いた唇に舌をねじ込まれて、舌先をねぶられる。
「や…んん…っ」
苦しいくらいに濃厚で執拗なキスは、まるであたしの頭の中からいろんなものを追い払おうとしてるみたい。どうやらあたしは、けいちゃんの独占欲スイッチを入れちゃったらしい。
キスを解くと、けいちゃんはあたしひとりをソファに座らせて、パジャマのズボンと下着を剥ぎ取った。そして、両方の足首を掴んで、ソファのクッションに固定すると、自分はあたしの足の間に座り込んだ。空気とけいちゃんの視線にさらされてじんじん疼く。
「見ないで…」
「キスだけで濡れちゃったの? 可愛いね、千帆」
こんなの恥ずかしすぎる。なのに、あたしの身体は、けいちゃんの与える刺激に従順だ。あたしの中から溢れ出る蜜を吸い上げ、中に舌を挿しこんで、蕾を甘く噛む。
「あぁぁぁっ、ダメ~っ、やだやだやだ…っ」
泣きそうな声で喘いでも、あたしが感じてるのがわかってるから、けいちゃんはやめてくれない。2回もけいちゃんの舌でイかされて、最後はあたしの身体をひっくり返して、バックから挿れられた。
縋るようにソファのクッションを握ろうとしても、革張りのそれはシーツと違って掴み用がない。黒いシートにけいちゃんのかあたしのかわかんない汗の滴がぽたぽたと垂れた。
「好きだよ、千帆」
「あたしもけいちゃん大好き…ぃぃっ」
ゴム越しにあたしの中に放たれた欲望と、直後にあたしの背中にしなだれかかったけいちゃんの重みを受け止める。けいちゃん、あたし、けいちゃんしか好きにならないし、こんなこともけいちゃんとしかしないよ?
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