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「ごめん、なさい…」 マスク越しにあたしは、謝った。けいちゃんと倉木先輩。あたしの謝罪にふたりが、?と不思議そうにする。 けいちゃんにも謝らなきゃいけないけど、先に倉木先輩に言わないと。 「あたし、やっぱりサークルには参加出来ません」 「出来る範囲でいいのに」 「ううん、無理です。自由にやっていいよ、って言われても、今のあたしにはきっと、その責任は負えない。絶対、けいちゃんに皺寄せ行って、迷惑掛けちゃうのが目に見えてる…けいちゃんはそれでもいいよ、って言ってくれるかもしれないけど、それじゃ、あたしが、嫌なんです」 最後は一言ずつ、短く言葉を切って、断った。これは、けいちゃんのためじゃなくて、あたしの決断だって、倉木先輩にわかって欲しかったから。 「そっか、残念」 「ホント、すみません」 「ううん。しつこく食い下がってごめんね。また、萌ちゃんたちと遊びにおいで」 「行っていいんですか?」 「うん、大歓迎。またね、千帆ちゃん」 大きく右手を振って、倉木先輩は仲間が待ってるさっきのお店に戻っていく。 「あいつ? 俺に似てる先輩って」 「…は、はい、そうです」 「俺の方が100倍いい男だと思うんだけど」 否定しないけど、自分で言うのはどうなの? けいちゃん…。
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