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HALLOWEENからはじまるほんとの恋
「えぇーー‼まだ、彼氏とえっちしてないの⁉それマジ?」
「だって同棲してるんでしょう」
「うん・・・そうなんだけど・・・」
ボクの名前は河西ユキ、十七歳。
聖マリアンヌ女子大学付属高校の二年生。
二年前に女子大と付属高校が、トランジェスターの男の子の受け入れを正式に決め、僕は迷う事無く受験した。クラスメイトは黒一点の僕にみんな偏見を持たず、優しく接してくれる。
「だって彼、平日は実習や勉強で忙しいし、週末は、夜遅くまでバイトで、疲れて帰ってくるしーー」
「それとこれとは関係ないでしょう」
「そうだよユキ」
「家出までして、一緒に暮らしてるのに、手を出さないなんて。他に彼女いたりして」
「それはない・・・と思う・・・」
はっきり言い切れない自分が情けない。
そんな僕を心配してくれたクラスメイトたちが、妙案を捻り出してくれた。
それは、ハロウィンの日に思いっきり可愛くコスプレして、trick or treat お菓子くれなきゃ、別れるから‼
と、まぁ、彼に迫るーーというもので・・・
「ユキは、両性に生まれてきて、それを一切隠すこともなく、私たちにちゃんと言ってくれた。すごく、勇気がある子だなって、誰もが思ってる。だからこそ、一番幸せになって欲しい」
隣の席の、和泉ちゃんが今日も熱弁を振るっていた。
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