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「お花のセンセ⁉」
あぁ、また葵の眉間に皺が寄ってく。
連れの女性に手を引っ張って貰い、迎さんが体を起こした。蓮は、彼の手を握りしめ、女性を、じぃーーっと見つめる。
花のセンセは僕のだ！目がそう言ってる。
「蓮くん、妹だよ」
「いもうと⁉」
「そう」
迎さんが、にっこりと笑い掛ける。
「初めまして。迎の妹の未紗です。可愛い！！！」
蓮に負けないくらい黄色い声が上がる。
「未紗うるさい」
「えぇ、何で何で」
こういう場合、ちゃんと、自己紹介をすべきか。
葵の視線が、やたら、突き刺さってくるけど・・・
「初めまして、佐田と申します。息子の蓮です。そして、彼が・・・」
「宮尾と申します。ほしみや幼稚園の園長をしております」
葵は笑顔を浮かべていたものの、その表情は固いまま。蓮は、迎さんと繋いでいた手を離すと、今度は、葵の所へ。
「お腹すいた」
「ご飯たべような」
一瞬、葵は、迎さんを睨み付けた。
迎さんも、負けじと睨み返す。
「真生、行くぞ」
ぐいっと、腕を掴まれ、自分達の席へ。迎さんに、挨拶ぐらいすれば良かったかな。
「真生、何か、注文する⁉」
「いや、大丈夫。蓮が残したので充分」
「お前、昔から、少食だったよな。もう少し、肉付けたら⁉」
「余計なお世話だ」
そんな事を葵と話しをしていると、店員が、俺たちのテーブルに来て、いちごのパフェを置いた。
「あの、注文してません」
「迎様というお客様からです」
店員はそう言うと、違うテーブルへ。
「真生さぁ、迎とかいう男とどういう関係！？」
頬杖をついた葵が、怪訝そうに聞いてきた。蓮も、パフェを見て歓声を上げ、食べていい⁉としきりに聞いてくる。
「蓮が仲いいんだ。それだけ。俺、挨拶してくる」
「いや、俺がいく」
「こういう場合、父親だろ」
「真生は、蓮をみてろよ」
葵はそういうと、席を立った。
胸騒ぎがする。
大丈夫だろうか。何か嫌な予感しかしない。
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