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早めに寝た次の日、ギルドへと行くと受付にはいつも座っているギルド職員とは違う職員が座っていた
俺を見かけると笑顔で手を振ってくるあたり、何かあったわけではなさそうだが
「サウザンさん、おはようございます!今日も整理の依頼ですか?」
「…ああ」
「いつもありがとうございます!ギルドカードお借りしますね。昨日の夜見に行ったらもうびっくりで、すごく助かってます!お陰でわたしも溜まっていた事が出来て…あ、今日また増えるんですけれどね…。本当に、ここは冒険者の方が寄り付かなくてですね…。そうそう、彼は今日一日お休みですよ。ギルドカードどうぞ」
やはり休みだったか
いつ見てもいるから一体いつ休んでいるのかと思っていたが
ギルドカードを受け取ってから掲示板を見てみるも相変わらず討伐系がない
「サウザンさんはまだ暫く王都に残るのでしょうか?」
「いや、もう少ししたら別の場所へ向かおうと思っている」
「そうですか…いえ、冒険者なので仕方がないですね!ヒウ公国方面から来たと伺っていますが、どこへ向かうかは決まってますか?」
「特には」
「それじゃああそことかオススメですよ!えっとーー」
依頼の前に引き止めていいのかと思ったが別にいいんだろう
下に置かれていたのか巻かれた紙を解いて広げた…そんなに細かくはないが、魔物の分布と思われる地図だ
「ここからちょっと離れるんですけれど、イディス帝国とファエルサ王国の間に水晶遺跡があるんです。あまり強い魔物も出ないので、ガイドを雇って観光する事ができる名所みたいなところで…!綺麗だと評判なんです」
「遺跡か…」
「はい!」
一言二言と短く返す間に結構長めの言葉が返ってくるギルド職員と長め雑談をした後、鍵をもらってから隣へと移動する
別にどこへ行きたいと言うのはないが、今のところ地図を見ると大陸の端の国を順々に巡っている状態だ
だったら流れで進みながらその水晶遺跡とやらを目指すのも良いな
だがその前に
「前に見つけたイフル草と鈴花でも探しに行ってみるか」
すこし前から気にはなっていた
こうやって情報としては書かれているのだから存在するにはしているのだろうが、さて…本当にあるのか
ランプの灯りを付け、整理済みの本棚の中から王都周りの植物について書かれている冊子を引っ張り出す
崖に生えているイフル草はともかく、鈴花に関しては特徴とその後の用途のみで場所の記載はない
「もしかしたら、以前は探さずともそこら中に生えていた…のかもしれないな」
環境の変化で淘汰される動植物というのは前世でもよく聞いた話だ
あったら儲け物程度に考えておこう…まずは依頼をこなしてからだな
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