森の薬師と水の花

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街の門から続いている道は森の中まで続いていた 途中でてくる魔物を倒しながらの道のりだが今のところなんとか生きている 魔物の中にはウルフ系の魔物もいて連携を取って襲って来たが 倒した魔物は剥ぎ取るにしても持つ事ができないから捨て置いて来た 野生の動物や魔物が食べるだろう わずかに道にかかっている草を分けながら進むと森を抜けて草原に抜けた 遠くまでよく見えるほど…地平線は流石に見えない 奥には山が連なっている 「すごいな…」 建物も何も無い中に道だけが続いている 周囲に大きな生き物はあまり見ない いるとしても羊のような生き物がいるだけだった あれは魔物図鑑で見たことがないから違うのだろう こんなに広い場所にいて見つけたことのない新種、なんてことは決して無いはずだ 道を進む途中で日が暮れて来たので野営の準備をする ポツポツと生えている木の近くに行ってポーチから細めの縄を出す 俺が考えるに、木の上にいれば多少は安全だと思う 縄の端に石を付け、下から2本目ぐらいの枝に向かって投げる ぐるりと枝に巻きついた縄を数度引っ張って切れない、解けないことを確認してから木に登った (ここも魔法でなんとかできればいいんだがな。安全とわかる場所じゃないと使う気にならない) 一つ目の枝を登って二個、三個と登るといい感じの場所を見つけてそこに座り込む 熟睡はできないが眠ることができる 俺は明かりがない星空の下で目を瞑った (……。重いな。なんだ?) 朝がになったのか目を閉じていてもわかる明るさに目が覚めた が、腹の上が少し、重いような気がする バランスを崩さないように目を開けながら腹の上を確認するともふりとした手触りと白い羽が見えた 「………お前か」 「ろろぅ」 俺に尻を向けた状態で座っている 「邪魔だ。どけ」 「ぴろろろろ〜」 「……」 「ぴろぅ」 俺の腹の上でぴろぴろ言いながら踊るように動く姿を見て気がつく 鳥の黒い足に紙のようなものが巻きついているのが見えた 動き回る身体を鷲掴みにして止めてから紙を取る 開くと綺麗な文字で文章が書かれていた ……ここで見たことはない文字なのに読めることが不思議だが 『あなたの武器に記憶を移しておきました。成体になったあなたなら使えるはずです。アドルヴァ』 紙は読み終わった後に白い炎を上げて燃えてなくなる この紙は、目の前の鳥が持って来たのか? 「お前は、アドルヴァの使いか?」 「ぴろっ」 いなくなったかと思っていたが…アドルヴァの居る場所に行っていたのかもな
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