初遭遇は意外な形で

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目が覚めたとき、周りは暗かった いや、ただ暗いのではない 何かに包まれているような…そう、まるで布に包まれているような感じだった 目の見えない状況で一先ずは自分の状態を確認する 今自分がどんな体をしているのか、一体何に転生したのかが知りたかった 動きを確認する 手を握ったり腕を曲げたり…その手を自分の顔だと思われる場所に持って行ったり どうやら体は人間のそれと同じもののようだった 性別もしっかり確認させてもらった…女じゃなくて心底良かったと思っている (…人型に生まれたことを喜べばいいのか?魚や鳥よりはましか) 最後の人生人間以外でも悪くないと少し思ってしまったことは認めるが (って、そうじゃない。まずはここから出なければ) ずっとこの布の中にいるわけにはいかない 俺はできる限り手や足を伸ばして布を突き破ろうとする ここには刃物はないから自力でなんとかするしかない 布のようなものを短めに持って横へと引き裂く (…っ眩しい!!) 目に入る強烈な光 暗い場所に慣れきった目にはそれが痛く思えるほどの光が引き裂いた場所から飛び込んできた しばらく目を手で覆っていたが徐々に慣れてきたから手を退ける 目の前に広がった景色 奥に見える湖は青く、頭上にある木の傘が僅かに光を俺の所に落としていた 自分の体の周りには黒い何かが散らばっている まるで繭から孵ったばかりみたいな光景に顔をしかめているとちょっと、気がついてはいけないことに気がついてしまった (おいおいおい…まてよ…!) 立ち上がろうと手を前についた時に白っぽい肌色の手が前に出た もちろん自分の意思で動かしているものだ 肌の色についてはどうでもいい、それよりもっと重要なことがある 見たくない気持ちいっぱいに下を見る (っっ!服…服はないのか!!) 嘘だと言いたかったが事実は変わらなかった 俺は今、全裸で森にいるようだ ……泣いてもいいだろうか?
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