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話は当時に戻りますが、私の絵がゴミ箱にダンクされた日、教室終わりに私達を迎えに来た私の母に、先生は言いました。
『この子は全く見込みがないので、この先通い続けても無意味だと思います』
こまかな言い回しは忘れましたが、おおまかそんな話でした。
私の絵画教室に通っていた時の話はこれだけで終わりです。
そこまで言われるのならというので、両親はその教室にはそれ以降私を連れて行かず、代わりに音楽教室により一層通うようになります。
兄はそのまま、その教室に後に転居するまで通い続けていました。
私自身が、その一件をトラウマとして記憶しているかといえば、そうでもありません。
すぐに音楽教室にシフトしていたし、当時、それほど絵を描くことを好きとも楽しいとも感じていなかったこともあります。
それに私は、物事を深く考えたり、長く悲しんだりする性分ではなく、(自慢のようになってしまいますが)鈍感力wと、その上スルースキルも持ち合わせていたのです。
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