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まとめ
私は、長年に渡って、兄と彼を取り巻く人々を見てきました。
そして、常々思っていました。
世に『自分は才能がない』と嘆く人の如何に多いことか、と。
別にその人達が、真実、才能がないかといえば、全くそうではありません。
むしろ、より多く持っている人たちが、『まだまだ足りない』といって愚痴っているのです。
それで『辛い、辛い』と嘆いているのです。
まあ、実際のところは、本気でそう思っているのかどうかも怪しいですが、それでも何人かは思い余って、病んだりもするのです。
今になって思えば、あの中にいた顔ぶれで、本当に描くことを楽しんでいた人間が、どれくらいいただろう、と不思議に思うくらいです。
本当に馬鹿らしい話だと思います。
才能とは何か?
前述で絵の良さについて書きましたが、絵の良さが一元的には語れないように、才能もまた、一元的には語れないものだと思うのです。
上手く描けるだけが、才能ではありません。
絵に関して言うならば、描いている、それで一つ才能だと思います。
それに、好きなことに対して努力ができるという才能、楽しめる才能、描き続けるという才能。
私は・・・努力できる才能は、ちょっと足り無いかな(笑)
でも、楽しめる才能、最低でも9年間は描き続けた才能はあるわけです。
その上、自分を褒めることにかけては、天才レベルww
私はこれらが、決して無駄な能力だとは思いません。
何故ならば、私の兄は、それらを持っていなかったから。
あったら今も描いていたでしょう。
でも、やめてしまったのです。
有り余るセンス、技術と能力、それに見合う環境を持ちあわせていながら、彼には決定的な才能が足りなかった。
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