転じて

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転じて

先にも書きましたが、私が今のような絵を描き始めたのは、社会人になってから。 9年くらい前です。 趣味で描いていた小説で、言葉でうまく表せないところを挿絵で説明しようとしたのが最初でした。 私には、創作活動をしたり、絵を描く友人もいませんでした。 ならば、自分で描いてしまえ。 初めて描いた時は、自分が天才なんじゃないかと思いました!と、言いたいところですが(笑)世に、自分より絵の上手い人は星の数ほどであることはわかっていたので、さすがにそこまでは言いません。 それでも、『初めて(私)にしては上手いじゃん?』くらいは余裕で思っていました。 今でも思っています。 その時描いた絵は、今見ても『初めてにしては上手いじゃん!』です。 ただ、ついでに言ってしまうと、私はその後9年間、ほとんど画力は進歩していません(笑) むしろどうにかすると退化していて、今の絵より、昔の絵の方が見ていて関心するくらいです(笑) 少なくとも勢いというか、取り組む姿勢が違った。 なので、今現在描いている絵は、ご覧の通りという感じです(笑) 話は逸れましたが、私の兄はその後どうなったかというと、10代の終わり頃にふっつりと描くのをやめ、絵とは無縁の職につき、今は全く描いていません。 私は絵を描き始めた頃、ふと思うことがありました。 もっと早くから絵を描き始めていたら、あるいは今より上手くなっていたかも、と。 何かを好きで始める以上、上達したいと願うのは人の性だと思うのです。 だけど、こうも思いました。 あの絵画教室の一件がなかったとして、兄と共に絵を描き続けていたら、私も兄と同じく、今、絵を描いていなかったかもしれない、と。 もちろん、タラレバの話なので、実際のところはわかりません。 だけど、そういう気がするのです。
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