雷鳴

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雷が轟く雨の中、俺は美羽(みわ)と手を繋いで彼女の家へと向かった。 握った美羽の手はとても暖かく、穏やかなものだった。 彼女は俺にとっての救世主のようなものだ。 幼い頃のあの薄汚れた時代も知っているし、 隠すものなど何もない。 ただ、その事に安心する一方でどこかで酷く怯えている自分がいた。 美羽(みわ)は本当の俺を知っても離れないでくれるのか。 まるで幼い子どもが母親の顔色を伺うようなそんな気持ちだったのだ。 「美羽(みわ)…」 思わず、美羽を呼び止めその細い手を握る力を強める。 「(たすく)どうしたの?」 2人の声が雨で掻き消されそうになる。 俺は大声で叫んだ。 「美羽は…気付いてるんだろ!俺がナスカ…」 そう言おうとしたとき、美羽が駆け寄ってきて今度は美羽が俺の唇を自分の唇で塞いだ。
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