雷鳴

4/4
前へ
/33ページ
次へ
どれくらいキスを繰り返していたんだろう。 時に優しく、時に激しく。 それは俺ら2人にとっては無くてはならない儀式のようなものだった。 そっと唇を離すと美羽(みわ)は優しく俺にこう言った。 「(たすく)は何も言わなくていいよ。大丈夫、分かってるから」 雨はまだ激しく降っていた。 だけど、俺の心の中では微かに雨が止む音がした。 今まで複雑に絡み合っていた糸が、ようやく解けこころの中の雨は静かに止んだ。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加