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雨は必ず上がるから…
そういったのは、誰だったけ…
目を開けると真っ先に我が家の天井が飛び込んできた。
「美羽…大丈夫?」
起き上がろうとしても、身体中が痛くてうまく起き上がれなかった。
お母さんが心配そうに私の顔色を見ながら、
おでこに手をやる。
その手はとても温かい。
「あんた、佑くんとずぶ濡れで、ウチに戻ってきたの覚えてる?あの後三日三晩寝込んでたのよ」
そう言われてハッと気がついた。
「お母さん…!!佑は?!」
するとお母さんは、少し笑って
「佑くんなら大丈夫よ。だってほら…」
そうやって、指差したその先には佑が赤い顔をして寝込んでいた。
その様子をみてホッと胸を撫で下ろしていると、お母さんは
「あなた達はいつもそうよね。お互い同じタイミングで転んだり、熱を出したりして…。まるで運命共同体みたいだわ」
そうだ、佑と私は2人で一つみたいなところがあった。
「ねぇ、お母さん…」
私は佑の頭のタオルを取り替えていたお母さんに背中越しにこう伝えた。
「私…佑のことが、凄くすごく好きみたい」
するとお母さんは笑いながらこう言った。
「なにを今更…!あなた達はもうずっと前から両想いじゃないの」
その言葉を聴いて
「雨は必ず上がるから」
そう言ったのは佑だったことを思い出した。
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