初めての授業

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思った通り、最初の1日の講義はわかっていることの復習みたいなもので、基本中の基本だから大切だということはわかるけど、メアリにはちょっと退屈だった。 いっそのこと、2年生の教科書を買って予習しようかとも思ったけど、わざわざ一年かけて基本を学ぶことにも意味があるのだろう。 そう思って、勝手に予習することは諦めた。 そんな中でも面白かったのは、人体解剖学。 これはさすがにルパートの所では学べなかったので、解剖するカエルに感謝の祈りを捧げて、実際の臓器の位置や色、感触なんかを確認した。 どこに触れるとどんな反応をするか、脊椎反射は実際にはどういうものなのか、そんなことを学ぶのは楽しかった。 次に有意義だったのは薬学。 薬草学だけでなく、鉱物などを使用したり、薬草を煮つめて結晶化させる講義は楽しかった。 薬草は煎じて使うだけのものではないと、知識では知っていたが、実際に結晶化させたりするのは初めてで、楽しい学園生活を送れた。 友人は相変わらず、アンヌとイワンだけだったけど、それだけで充分だと思えた。 ダノンが退学になって、みんな思わぬところで不興を買うのではないかと恐れていたのだ。 メアリにとってはありがたい。 あまり友達が増えて、万が一にでも母さんの昔の話なんかが話題に出たりしたら、平静でいられる自信がなかった。 メアリとイワンとアンヌは成績上位者で、学年での定期テストは常に三人がダントツトップだった。 三人で切磋琢磨するのは、とても楽しかった。
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