3826人が本棚に入れています
本棚に追加
それからも作業は続いた。
みんなで輝かしい連休を迎えるために。
そして、連休明けのスッキリした頭で完成品をチェックし直すのだそうだ。
まあ、確かに今はなにもスッキリしていない、と思いながら、のどかは独り言のような調子でしゃべっていた。
「それでですね。
うちの実家、行き止まりなんですけど。
ときどき間違って車が入ってくるんですよ。
で、ある日、お兄ちゃんに罰として、車を磨けって言われて――」
「兄貴も居るのか。
さっき来た巨乳美女以外に」
と貴弘が言うと、それまで黙って聞いていた男たちが急にざわめき、呟き始める。
「巨乳美女……」
「……巨乳美女?」
「いつ現れたんですか、巨乳美女」
「ずるいですよ、社長」
「いや、来ただけだ。
そして、向こうは人妻だ」
と言う貴弘に、
いや、貴方も今は一応、既婚者ですけど。
婚姻届取り下げるまで、と思いながら、巨乳美女だけに反応する男どもにこれ以上話しても聞いてなさそうだが。
黙ると眠くなるので、そのまましゃべっていた。
最初のコメントを投稿しよう!