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「でも、日焼けするのが嫌だったので、夜、暗がりで車を磨いていたら。
いきなり入ってきた車のライトで、パッて照らされて。
まるで、サーチライトで照らし出された犯罪者の気分でしたよ。
そういうことってありますよね?」
「ない」
とそこだけ全員に言われる。
……聞いてないんじゃなかったのか。
「流行りのリレーアタックで車を盗もうとしてるやつだと思われたんじゃないか?」
と信也が言い、
「犯罪者なら、ライトで照らし出されるようなマヌケはしないだろ」
と貴弘が言ったあとで、また信也が言う。
「俺は巨乳美女はあまり好きじゃない」
……話が繋がってませんよ、信也さん、と思ったが、みんな眠気で思考が飛び飛びになっているのだろう。
「チェック終わったか」
と貴弘に言われ、のどかは、おまけにつけられたような片隅の円グラフを見ながら、はあ、と言う。
「この新商品の96%の人が満足した、ほぼ満足した、なのに、残り4%の人はなにを思って満足しなかったんですね……?」
「……こういうめんどくさい奴が居るからな。
アンケートにあった満足しなかった細かい理由をどっかに書いとけっ」
と貴弘が指示を出している。
いかん、思ったままを言って、仕事を増やしてしまったと思いながら、
「手伝います~」
とのどかも立ち上がる。
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