これが平成最後の仕事らしいです

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   喫煙しない人のスペースで死んだように眠っていたのどかは目を覚ました。  驚くほど顔の綺麗な男が自分を見下ろしている。  ひっ、と固まると、のどかが眠っていたソファの背に腰掛けていたその男、成瀬貴弘が笑って言う。 「こうして見ると、可愛いじゃないか。  好みでないこともないこともない」  今ですかっ?  っていうか、どっちっ? と思いながら、 「そっ、そういえば、今はいつですかっ?  まさか、連休終わってるとかっ?」 と飛び起きると、 「そこまで飲まず食わずで寝てるわけないだろう」 と言われ、ホッとしたが、貴弘は腕時計を見、 「今、令和元年五月一日、十六時二十八分五十秒だ」 と言う。  ひっ、と再び、のどかは息を呑んだ。  令和元年記念に特設ブースができるので、夜間や休日預かりの婚姻届も処理されるかもという話を思い出したのだ。  もう夕方っ。  ってか、役所閉まるっ。
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