あやしい古民家を手に入れました

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   幸い、風子の部屋は一階だったので、あとはスムーズに運べた。 「片付いたら、遊びに来てね~」  内心、いつ、片付くんだろうな、あの家、と思いながら、のどかが言うと、 「行く行く。  私、猫好きだし。  どんな猫?」 と運び終えてホッとしたからか、機嫌よく風子が訊いてきた。 「いや、それが、猫、見たことはないんだよね~。  でも、いつも何処かから、カリカリカリ爪を研ぐような音が聞こえるから、何処かに居ると思うんだけど」  家の中じゃなくて、裏庭とかに居るのだろうかな、と思いながら、のどかは答えたが、風子は、 「……あんた、それ、ネズミじゃないの?」 と言う。 「でも、キャットフードを置いてたら、食べてたから猫なんじゃない?」 「じゃあ、ドックフード食べてたら、犬で、ハムスターの餌食べてたら、ハムスターで。  生肉食べてたら、ライオンかっ」 と風子がキレる。
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