6話・狼がシジミにかわる朝

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「ふふ、めげませんね」 「営業マンだからね。はい、呼んでみて」 「……涼平……さん」 むず痒いような恥ずかしさに肩をすくめると、彼は『上出来!』と、太陽みたいに笑った。 トクン――と、胸が高鳴って。 それを悟られないように、ミルクティーをひとくち。 優しい甘さが口いっぱいに広がった。 「で、さっきの話だけどさ」 いつの間にか正面に移動していた涼平さんが、真剣な目で私の顔を覗き込んでいた。 「俺と特別な関係だと思われるのは、そんなにイヤ?」 「……そういうワケでは」 「じゃあさ、そう思わせておこうよ」 「どうしてですか?」 意図が分からず戸惑う私を見つめる目が、なんだかとても切羽詰まっているように見えた。
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