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「ふふ、めげませんね」
「営業マンだからね。はい、呼んでみて」
「……涼平……さん」
むず痒いような恥ずかしさに肩をすくめると、彼は『上出来!』と、太陽みたいに笑った。
トクン――と、胸が高鳴って。
それを悟られないように、ミルクティーをひとくち。
優しい甘さが口いっぱいに広がった。
「で、さっきの話だけどさ」
いつの間にか正面に移動していた涼平さんが、真剣な目で私の顔を覗き込んでいた。
「俺と特別な関係だと思われるのは、そんなにイヤ?」
「……そういうワケでは」
「じゃあさ、そう思わせておこうよ」
「どうしてですか?」
意図が分からず戸惑う私を見つめる目が、なんだかとても切羽詰まっているように見えた。
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