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一度だけ天井を仰いだ彼は、妖艶に光る瞳を私に向けた。
体を転がされ、タンクトップとワンピースを器用に取り払われる。
下着だけの姿を、明りの下に晒す羞恥心に耐え切れず。
目を閉じて、シーツを握りしめた。
「怖がらないで」
手の甲をするりと撫でられ、力が緩んだのを見計らって、全ての指を絡められる。
――――!?
突然感じた耳たぶへの刺激に『ひやぁ』と、かん高い声が漏れる。
熱くて、柔らかな唇の感触。
吐き出される息と一緒に、耳の中に舌が差し込まれたのが分かった。
「んっ……んん」
舌先が生み出す卑猥な水音が、脳のヒダをかき分けて、奥へ奥へと踏み込んでくる。
その音に支配されるのが怖くて、絡められた指に必死ですがった。
「か……ちょ……もう、無理で――あっ!」
イヤイヤをするように、首を振ってその刺激から逃れると、鎖骨に鋭い痛みを感じて悲鳴をあげた。
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