5話・シジミが狼にかわる夜

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ウソ………噛みつかれてる? 「痛い……ですっ」 抗議の声をあげた私に『さっきの仕返し』と、上目遣いに眉を吊り上げる課長。 その顔がまるでいたずらっ子みたいで、なにも言えなくなった。 心を掴まれそうで顔を反らしたのを、彼は怒りだと勘違いしたのか、 「すみません、傷つけない約束でしたね」 言いながら、先ほど歯を立てた鎖骨に舌を這わせはじめた。 穏やかな舌遣いに、痛みが引いて甘い疼きが湧き上がってくる。 そんな恥ずかしい体の変化を、乱れた吐息が臆面もなく伝えてしまう。 必死にすがりついていた指が、優しく解かれた。 「ひやっ……んっ!」 突然の強い刺激に体が跳ねあがる。 課長の指が、下着を押し上げて胸の先端を引っ掻いたのだ。 鎖骨に這わされていた舌がツウ――と駆け下りて、反対側の突起を捕らえた。 「や……やっ……ん」 触れるか触れないか……微妙な加減で、ゆるゆると。 指と舌が同じリズムを刻みながら先端を弄ぶ。
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