5話・シジミが狼にかわる夜

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「約束……します」 私が断れないって分かっているくせに。 課長は、心底ホッとしたように破顔した。 妖艶な表情の奥から、時折浮かび上がる少年のような笑顔。 こんなのを見せられて、堕ちない女がいるんだろうか。 ぼんやりと見とれていると、不意にその笑みが深まる。 「えっ……ふぁ」 ゆらりと瞳が揺くのと同時に、下半身に下りてきた指が、お臍の下で円を描く。 たまらず跳ね上がろうとする腰を、もう一方の手に押さえつけられた。 「では、ご褒美です」 「なにすっ……いああああっ!」 下着の中に潜り込んだ指に、一番敏感な部分を擦り上げられ。 稲妻のような刺激が、背骨を駆け上がった。 息が出来なかった。 軽い浮遊感のあと、乱暴に投げ出されるような感覚。 硬直していた体が一気に弛緩して、自分のものではないように、ビクビクと痙攣している。
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