5話・シジミが狼にかわる夜

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「江本さん……もしかして、今ので逝きました?」 分からない。 もう何が何だか分からないけど、驚いたように見つめられて顔が熱くなった。 「……ち……がう。違いますっ」 彼の目から、顔も体も隠したかった。 重く感じる腕を伸ばして、シーツを掴む。 だけどその手は目的を果たす前に捕まり、持ち上げられた。 「本当に……感じやすい体ですね」 うっとりと目を細めた課長は、私の手の甲に啄ばむようにキスを落とす。 何度も、何度も。 そうされているうちに羞恥心が薄れて、穏やかな幸せが満ちていくのを感じた。 なんにせよ、やっと終わった…… 安堵に少しずつまぶたが重くなって…… 睡魔の誘惑に、身を委ねようとしたときだった。
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