6449人が本棚に入れています
本棚に追加
/529ページ
「江本さん……もしかして、今ので逝きました?」
分からない。
もう何が何だか分からないけど、驚いたように見つめられて顔が熱くなった。
「……ち……がう。違いますっ」
彼の目から、顔も体も隠したかった。
重く感じる腕を伸ばして、シーツを掴む。
だけどその手は目的を果たす前に捕まり、持ち上げられた。
「本当に……感じやすい体ですね」
うっとりと目を細めた課長は、私の手の甲に啄ばむようにキスを落とす。
何度も、何度も。
そうされているうちに羞恥心が薄れて、穏やかな幸せが満ちていくのを感じた。
なんにせよ、やっと終わった……
安堵に少しずつまぶたが重くなって……
睡魔の誘惑に、身を委ねようとしたときだった。
最初のコメントを投稿しよう!