5話・シジミが狼にかわる夜

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「ああっ、もっ……やあっ!」 超能力でもあるのだろうか。 私が一番感じる触れ方を熟知した指と舌に、痛いほど敏感になった蕾を、執拗にもてあそばれる。 最短距離で、高みに押し上げられる。 何度も、何度も……気が狂いそうなくらい。 体も頭の中もドロドロに溶け切って、与えられる快感を甘受するだけで精一杯だった。 思考能力を奪われていたせいで、 「これだけ濡れていれば、大丈夫だと思うのですが……痛かったら教えてくださいね」 そう言われても、これから何が行われるのか、考える余裕なんてなかった。 「――――!?」 声も出なかった。 ツプリ――と、体の中に彼の指が入ってくる。 経験したことのない違和感に、息を吸ったまま体が硬直した。 「力、抜いて」 そんなの無理だ―― 中を探るように動く指の動きに合わせて、少しずつ…… けれども確実に、甘い切なさが生まれる。
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