6話・狼がシジミにかわる朝

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脳が揺れた気がした。 体が熱くなってリトル颯介君が鎌首をもたげる。 なんなんだ……この女は。 僕はいったい何に対して、飜弄されているんだ。 数時間前に抱いたリカコの方が、どう考えても性的魅力に溢れているではないか…… 「ん……お、みず」 彼女が顎を持ち上げて、金魚のように口を開いた。 こ……これは、仕方がない。 僕にいかがわしい気持ちなど、微塵もない。 そう、微塵もだ。 あくまでも、人助けなのだから…… グラスの中身を口に含んで、彼女に顔を寄せた。 軽く開かれた唇に、そっとお茶を流し込む。 なんの抵抗もなく、僕の口づけを受け入れた彼女の喉が動き、コクン――と、音をたてて呑み下された。 瞬間。 身体中の毛穴が開くような、経験したことのない快感が駆け巡る。 射精の瞬間にも勝るとも劣らない高揚感。
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