6話・狼がシジミにかわる朝

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* * * 時刻は深夜1時30分。 とうに終電の時間は過ぎている。 明日も仕事だというのに、酷い目にあわされた。 「課長の鬼、悪魔、変態、ケダモノ、陰獣、エロガッパ」 腰が抜けて立ち上がれないので、腹いせに思いつく限りの罵詈雑言をぶつけること数分。 当の本人は、私には目もくれず、キーボードを叩き続けている。 見事なシカトだ。 悔しい……。心の底から。 今すぐにあのPCを破壊してやりたい。 「詐欺師、ペテン師、極悪人っ、明日倒れたら課長のせいですからねっ!」 「ああ、もうっ。うるさい!」 クシャクシャと髪をかき乱しながら、課長がこちらを向いた。 「まだ立てないんでしょう。大人しく寝ててください」 「立てなくしたのは誰ですかっ!」 「ですからお詫びに、自宅まで車で送ります。それまで黙って頂けますか」 極厚メガネをかけた課長は、すっかり昼間のシジミモードだ。 「結構です、始発で帰りますから」 「ならば、なおのことお静かに願います」
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