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PC画面に向き直った課長は、眼鏡を指で押し上げてから、キーボーを叩きはじめる。
先ほどまでの熱っぽさが嘘のように冷めきった横顔。
「こんなことをされるなんて、聞いてませんでした」
「……」
「どう考えても、酷いと思います」
「……」
「無視しないでくださいっ!」
言葉と同時に枕を投げつけると、抜群のコントロールで課長の顔面にヒットする。
「……っ、いい加減にしてくださいよ」
苛立った様子で近づいてきた彼に、布団をバサリとめくられる。
「ひゃ、変態っ!」
裸を見られて暴れたけれど、とんでもない力で押さえつけられて、あっと言う間にワンピースを着せられた。
「なっ……なにをっ、きゃあっ!」
躊躇なく抱き上げられて、思わず首にしがみつく。
「もう少し回復してからと思っていましたが、今からお送りします」
「始発で帰りますったら!」
「朝まで騒がれては迷惑です」
有無を言わさずに歩き出した課長に抱えられたまま、駐車場に連れて来られ、
「荷物を持って来ますので、少しお待ちください」
ビートルの助手席に押し込まれた。
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