7話・営業トップは伊達じゃない

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7話・営業トップは伊達じゃない

* * * この数日、空の透明度が少しずつ増している気がする。 残暑が厳しく秋の気配を見失いそうだけど、空の色は季節の移り変わりを、こっそりと教えてくれる。 楽市不動産に勤めて、半年。 退社後、時間に余裕がある日は、公園のベンチに座って空を見上げるのが習慣になっている。 昔から空が好きだった。 ぼんやりと見上げていると、自分が空っぽになって、そのうち透き通って……仕舞いには溶けて無くなるような気がする。 この世から消えてしまいたい。 なんて、悲観的になっているのではない。 ダブルワークの隙間時間。 ほんのひと時、なにもかも…… 実体までも手放して、空の青と混ざりあう感覚は心地の良いものだったのだ。
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