海ちんとお母さんとクッキー

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甘ったるくてほわほわした香りと楽しげな会話はこのあとも続き、和やかな時が流れた。 だけど、わたしの心はどこか憂鬱で沈んでいる。くまちゃんのクッキーやうさぎさんのクッキーは笑顔で可愛いけれど、わたしには泣いた笑顔にも見えた。 自分は何が不満で、何を期待しているのかが分からない。 こんな自分自身が嫌になる。 海ちんみたいに素直に喜べる人になりたい。だけど、わたしにはできない。 海ちんを見ると、笑顔で笑い続けている。幸せそうな横顔だ。
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