海ちんとお母さんとクッキー

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玄関先で、海ちんを見送るお母さん。 お母さんは、海ちんにクッキーを持たせる。 「海ちん、今日は来てくれてありがとうね」 「いえいえ、もりりんさん、こちらこそ美味しいお食事やクッキーをありがとうございました。お持ち帰り用のクッキーまで頂いてしまって」 海ちんは、とびっきりの笑顔をお母さんに見せる。 そんな海ちんを見ていると、イライラしてくる。わたしって意地悪でひねくれた性格なのかな? 自分が自分で嫌になる。こんな性格直したい。 「うさちゃん、明日ね」 とわたしにも手を振る海ちんの声に、はたっと気がついて、わたしも手を振る。 「海ちん、また、明日ね!」 そして、海ちんが帰った後の部屋は、何かを無くしたような寂しい脱け殻のようになっていた。
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