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「海ちんは楽しい子だね」
台所で食器をカチャカチャとさせながら、お母さんは、わたしに言った。
「うん、海ちんは楽しくて良い子だよ~だから友達をやっているんだ」
それは、本心だ。
だけど……
今日の海ちんを見ていると、わたしが、今まで感じてきた海ちんと、本当の海ちんは、まったく違ったタイプの人間だということに気がついた。
海ちんには何も言わなくても、わたしの言いたいことが伝わるなんて思っていたけれど、どうやら違うみたいだ。
部屋に戻り、壁にもたれかかりながら、体育座りになる。
自分の思った通りの人がいる方が不思議だよね。だってわたしは、自分のことさえ良く分かっていないのだから。
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