海ちん

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ーーーー お母さんに海ちんの家に遊びに行くと話すと、お母さんは、「もりりんも遊びに行きたいけど我慢するね」と残念そうに言った。 お母さんが、遊びに行ってどうするのよとわたしはその発想に呆れた。 そして、海ちんの家に遊びに行く当日お母さんは、わたしに、お母さん特製手作りアップルパイを持たせた。 わたしは、お母さんからアップルパイの入った袋を受け取りながら、海ちんはきっと喜ぶんだろうなと思った。 「うさ子ちゃん~楽しんできてね」 と言ってお母さんは、玄関の外まで出てきた。 そして、「いってらっしゃ~い」と手を振った。 こんな過保護なお母さんは鬱陶しいけれど、だけど、今というこの時間もこの一瞬もいつかは宝物になるのかな? 太陽の光を浴びたお母さんを見て、なんとなくそう思った。
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