わたしのお母さんはもりりん~

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わたしのお母さんはもりりん~

海ちんと、『じゃあね』をして家路に着いた。そして、今日こそは今日こそは、お母さんに優しくしようと心に誓う。 玄関の前に立ち、すーはすーはっと深呼吸。 よし、これで、優しいわたしになれるはずだ。うん、大丈夫だ。 そして、わたしは玄関の扉を開けて元気よく、「ただいま~」と挨拶。 お母さんは、待っていましたと言わんばかりに、「おかえりなさい~うさ子ちゃん」と言ってわたしに抱きついてきた。 いつもなら、やめてよねと振り払うところなんだけど、今日はぐっと我慢をして笑ってみせた。 「うさ子ちゃんてば、もう~会いたかったよ~」と言ってわたしをぎゅぎゅぎゅと強く抱きしめた。 数時間前に出かけて、もう帰ってきたのになんだっていうのだ。 だけど、「わたしも」と思わず言ってしまった。 しまったと、思った時は後の祭りだった。
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