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バーチャルリアリティコーナーに着いたゼット、エイチ、テイキの3人だったが、格闘ゲームは別の人間がやっていた。
しかも、少し待っている人間もいる。
「やはりか・・」
「まあ2人分の場所しか無いからな。仕方がない。当初の予定通りビデオゲームに変更しよう」
ゼット、エイチ、テイキの3人はすぐに諦め、ビデオコーナーへと向かった。
ビデオゲームコーナーにあるのは、格闘、レーシング、シューティング、野球、音楽の5つだ。
格闘ゲームはその中で一番人気があるが、その分数も多い。
無事3人は格闘ゲームを行う事が出来た。
「まず誰と誰がやるんだい?」
エイチが尋ねた。
「じゃんけんで決めようか。で、その後は勝ち残りって事で」
「分かった」
テイキの提案にゼットとエイチが了解した。
「じゃんけん・・」
「ポン!!」
ゼットがパー
エイチとテイキがグーだった。
「よし!まずは俺だな」
まず片方の席にゼットが座った。
残ったエイチとテイキが続けてじゃんけんをした。
「じゃんけん・・」
「ポン!!」
エイチがチョキ
テイキがグーだった。
「やった!!」
「くっ!!負けたか・・」
エイチが悔しがった。
テイキが残った椅子に座り、対戦が始まった。
ちなみに、ビデオゲームコーナーは1ゲーム50マニーだ。
最初の50マニーはすでにゼットが入れておいた。
「言っておくけど、手加減はいらないからね!!」
「望むところだ!」
こうして、まずはゼットVSテイキの試合が始まった。
エイチは後ろで2人の対戦を見守る事にした。
男子3人と入れ替わりに、ユウキとグレイがバーチャルリアリティコーナーにやって来た。
「やった!テニス空いてるよ」
「やりましたわね」
2人は急いでテニスゲームの中に入った。
なお、バーチャルリアリティのゲームは立って行う物と座って行う物の2種類がある。
前者は格闘とテニス。
後者はレースと競馬だ。
格闘とテニスは、まず正方形の枠内に入って、そこでリストバンドとレッグバンドをそれぞれ両手両足に装着する。
そして、特殊なゴーグルを付けて準備完了だ。
なお、テニスのみ、本物のテニスラケットを持つ事になる。
自分の近くにボールが飛んで来たタイミングでラケットを振らなければならない。
これらを身に着ける事で、枠内にいる人の動きをゲーム内のキャラも行う仕組みになっている。
ゴーグルには、ゲーム内の映像を360度見る事が出来、まさにその場にいるかのような感覚を味わう事が出来ると言う事だ。
ゴーグルは当然、他のゲームでも身に着ける事になる。
正方形の枠は格闘・テニス共に2つある。
つまり、どちらも2人までプレイ可能と言う訳だ。
ちなみに、2つの枠の間隔は約1メートルと言った所か。
また、ゲームの前方にはそれぞれ巨大なスクリーンがあり、ゲームを見てるだけの人も楽しむ事が出来る設計になっている。
バーチャルリアリティコーナーはゲームセンターの最大の目玉であるが、テニスは操作性が難しいためか、あまりやる人は多くない。
が、その分、マニアには一番受けが良いようだ。
ちなみにバーチャルリアリティコーナーは、1ゲーム200マニーだ。
まずはユウキとグレイが100マニーずつ出し合う事にした。
勝利した方は、その後、負けるまでCPUと対戦する事が出来るのだ。
それはキャンセルする事も可能だ。
ただしキャンセルして新たにプレイヤー同士の勝負をするには、再度200マニー支払う事になる。
キャラクターは8人おり、対戦相手はその中からランダムで選ばれる。
4試合勝つ事が出来れば、景品がゲットできる。
「準備できたブイさん?」
「いつでも良くってよ」
2人とも準備が出来たので、ゲーム内の両選手がコートの中央に近づき、コイントスを始めた。
ユウキが勝ったためレシーブを選択した。
「ザ ベスト オブ 1セットマッチ 『〇〇〇』トゥ サーブ プレイ!」
ゲーム内の審判が叫んだ。
〇〇〇は当然、グレイが選んだキャラだ。
「それでは行きますわよ!」
グレイがサービスする構えをとった。
プライズゲームコーナーにあるのは、UFOキャッチャー、メダルを使って景品を取るゲームなどだ。
ここにアイとエムがいる。
アイとエムはUFOキャッチャーに挑戦している。
UFOキャッチャーは1ゲーム100マニーだ。
1ゲームで3回出来る。
「よ~し!捕った・・!」
「うん・・!後は落とすだけだね」
アイは狙っていた犬のぬいぐるみを掴む事に成功した。
後は穴に落とせば良いだけだが・・。
「あっ!!」
ぎりぎりの所で、犬のぬいぐるみがキャッチャーから落ちた。
「あ~あ・・。また駄目だ・・」
アイが呟いた。
アイは3回とも犬のぬいぐるみを狙った。
が、3回とも失敗してしまったのだ。
「よし!アイ、今度は私が挑戦するよ。今日の私は運が良いから」
「お願いねエム」
と言う事で、今度はエムが挑戦したが・・。
一度目は失敗。
「う~ん・・。もう少しなのに・・」
「それでは駄目デスよ」
そんな時、2人の元にピーターがやって来た。
「あ、ダブル君」
「あれ?ケイタ君達を案内してたんじゃ?」
「そうですよエヌマさん。で、案内を終えたので、こちらに来たと言う訳デス」
「ダブル君はパンチングマシーンはやらないの?」
「吾輩はパンチングマシーンには興味あ~りませんから」
「そうなんだ」
「そんな事より、苦戦しているみたいデスね。よろしければ1度やらせていただけないデショウか?」
「ダブル君って、UFOキャッチャー得意なの?」
「それは、見てのお楽しみデ~ス」
アイとエムは顔を見合わせた。
それからエムが言った。
「じゃあ任せるね」
「任されマ~シタ」
ピーターは勢いよく言った。
「このそばに落ちている犬のぬいぐるみを狙っていたのデスよね?」
「うん。そうだよ」
「それじゃあ行きマスヨ!」
ピーターはUFOキャッチャーの操作を始めた。
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