君の傘で雨宿り

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頭の中に浮かんだ言葉を口にする。 「私の事をすき? いやいやいや、ないないないない! 絶対にない!!」 ――外見ハイスペックな高森君が私を? 思い切り頭を左右に振る。自分でもそれは行き過ぎた考えだと思った。なんて自意識過剰な思考だろう。思い上がるにも程がある。 あわあわとしているその間に電車を何本か見送った。 ――ここで考えてても時間が過ぎるだけ。 重い腰をようやく上げ、到着したばかりの電車に乗る。 窓に映る自分の姿のその横に、高森君の姿を思い浮かべてみる。そして赤面。 一人、百面相を繰り返しているうちに最寄り駅に到着。改札を抜け外へ。 雨は既にやんでいた。 夕日の光が雲間からのび、私と辺りを橙色に染める。 借りた傘は役目を果たすことなく閉じたまま。でも、傘を差したところできっと寂しくなるだけ。 大きい傘の存在が私を苦しめた。 ――そういえば傘渡されたけど、高森君は大丈夫だったのかな。 見上げながらため息ひとつ。 想いを込めたそれは、静かに空へと吸い込まれていった。
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