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宵からは遠い夜の色
戸惑いの風が巡る
雨よりも近い滴の音
悲しみの灯は瞬く
掌はいずれ鏡に触れる
指先はその形をなぞる
訪うべき場所を忘れた
願うことを捨て去った
疑いに塗れた世界で
争いの溢れる現実で
疼くこの心を閉ざす
喘ぐこの命を重ねて
数多の煌めきはいつか
しめやかに消え失せて
無数の彩りはそうして
ひそやかに溶けていく
どれほど諦めようとも
さして変わらぬこの世は
ふと気付くとそこにある
時の流れのように私を縛る
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