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羽化しない蛹のように
心の内から朽ちていく
脱け殻の感情とは渇き
水の涸れた器を爪弾く
甲高く蔓延るそれは錆
軋む蛇口を回し続けて
嘘でも泣いてと囁いた
貴方には応えられない
気づけばもう日が暮れて
思えばすでに夜は更けて
羽化しない蛹のような
心はついに朽ち果てて
交わすための言葉さえ
この命から消え失せて
それでもまだ足りない
君を思い出して笑うには
これではまだ届かない
君を思い返して浸るには
想い募る新月の夜陰に
どれだけ涙を捨てようと
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