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欺かれては誘われる
世の真とは何処にある
詳らかにと沈みゆく
世の象とは彼我にある
生命は苔むして滔々と
木々は風に揺れ淡々と
犇めく存在は鬩ぎ合い
弾かれた自我は彷徨う
名を残せと声を張り
証を刻めと果たし合い
いま生きる事の幸せを
誰しもが忘れている
雨が満たす煌めきを
陽が照らすその輝きを
夕暮れが映す切なさを
夜明けが告げる悲しみを
目を逸らさずに見つめて
心に描くように重ねて
どうかこの瞬間の全てを
逃さずに焼き付けて
日々に思い馳せるのは
きっとその僅か後でいい
.
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