sensitivity

15/18
前へ
/18ページ
次へ
鼓膜まで空気に浸される 瞼の裏まで風に満たされる 映せない届かない夜半に 喉の奥を塞いでいる想いを 飲み干した水で溶かした 重さに押し負ける口唇 軽さに競り負けた瞬き 曖昧に縷々と語りて 唐突に然々と仕舞う 終わりなき平坦な視界は どこまでも続く無風の世界 閉じて開かれ草臥れた心 塞いで戯けて傷付いた日々 呼吸は静かに薄れていく 意識が現実を手放していく 明日を強く望むほどに 夜は深々と降り積もる 霞む灯だけが今に注いだ .
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加