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鼓膜まで空気に浸される
瞼の裏まで風に満たされる
映せない届かない夜半に
喉の奥を塞いでいる想いを
飲み干した水で溶かした
重さに押し負ける口唇
軽さに競り負けた瞬き
曖昧に縷々と語りて
唐突に然々と仕舞う
終わりなき平坦な視界は
どこまでも続く無風の世界
閉じて開かれ草臥れた心
塞いで戯けて傷付いた日々
呼吸は静かに薄れていく
意識が現実を手放していく
明日を強く望むほどに
夜は深々と降り積もる
霞む灯だけが今に注いだ
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