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眩さに灰褐色の帯
瞳に届かぬ空の色
消し損ねた残像は夢
泣き疲れた時の面影
雨が墜落して揺れた
世界の背景は玉響に
疑うべきその傷痕を
網膜へと焼き付けた
穿つように目の奥の
頑なな感情を殺して
柔らかなそれ以外を
必死で守ろうとした
声の膨らみに針を刺す
覗く陽を背後に置いて
影で全てを塗り潰した
温もりさえ凍える様に
眩さに満たされていく
空は青く煌めいている
暗く縁取られたこの瞬間に
重ねた両手で明日を閉ざす
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