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ほどなく崩れた鼠色の空
不様にくぐもる旅人の声
過ぎ去るのは明日の影か
こぼれ落ちた昨日の心か
敢えなく霞む人混みの檻
欠片に群がる悲しみの街
浮き沈むのは未来の夢か
あふれ出した過去の涙か
通り過ぎる雨音に紛れた
その囁きを誰も知らない
借りた言葉を張り付けた
その呟きを私は知らない
風と現在が停滞する時間
深く透明な想いを告げる
雲と雷鳴が支配する現実
長く純粋な願いを込める
ほどなく薄れた闇色の空
切れ間から注ぐ目映い陽
旅人が見上げたその光に
やっといま私は追いつく
心影に瞬くこの景色へと
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