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灯火の影を抱いて
刹那の感情を巡らせる
時は火の揺らめきに生まれ
霞む人肌の温もりを
心の内側で守っている
陽の光も知らぬこの場所で
背の壁をなぞるは寂漠
錆び付く燭台に募る追想
涸れた問いを繰り返すように
隔てられた空を思い返して
失われたそれを探していた
絶え間なく明日を望もうとも
手の届くことなき夢のようで
明けと宵に思いを馳せる
重ねた刻を色付けていく
どれほどの涙が落ちようとも
変わらない世界で生きている
灯火を風が吹き消した
刹那に暗闇が哭いている
今はもう必要のないそれを
すぐ隣にずっとあった筈の.
愛という名の温もりを
時を紡ぐ微かな光に変えて
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