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#am6:30
バサッ
カーテンの隙間から漏れる陽の光で目が覚めた。
本当は6:00に目覚まし時計が鳴るはずなのにかけ忘れてたか。
「はぁー。」
ゆるゆるな自分へのカツ?を入れて立ち上がり、キッチンに向かう。
えっと私の名前は高山 実沙。ママかなーなんて思ったかもしれないけど、私は、まだ夢の中の弟 利貴のねーちゃんであり、現役JK1だ。
私が小六のとき、見知らぬジジイが起こした通り魔事件に買い物の帰りに巻き込まれたママは、とてもあっけなく死んだ。天然で、よく靴左右逆に履いてたママが、パジャマのままゴミ捨てにいったママが。当時、小学生の私の記憶は、ママのおもかげで止まってる。どう生活したいたかなんて脳にいくら問いかけても答えは見つからない。赤が好きだったママの陽だまりのような笑顔しか私にはない。
ああ、そうか。気づいた。
部屋の真紅のカーテンからのぞく陽の光がママのようで。
私は四年経った今でも、ママのおもかげを探しているのかな。
チーン
パンが焼けた。
そろそろ利貴を起こさないと。
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