荒れ狂う海で

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百戦錬磨の海軍の船長に言われて、トウゴは一瞬怯む。 ヤタネスクは四方を海に囲まれた本島を中心に小さな島々からなる小国家で、その移動手段は船が中心であり、その技術を生かした海運事業などが盛んだ。 その海運事業を巡って、海賊による犯罪が横行し国民を悩ませているのだが、そんな荒ぶる犯罪者たちと日々牽制し戦っているのが海軍なのである。 そんな海軍の船長が止めるのも無理はない。 このトウゴと呼ばれた人物は齢25歳の青年であるが、次期ヤタネスクの国王となる存在なのである。 今はトウゴの祖父が国王が務めているが、トウゴがまだ産まれて間もない頃、両親は公務の移動中に海賊に襲われて暗殺されてしまい、トウゴはたった1人の王位継承者となってしまった。
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