浜辺でのひろいもの

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(あぁそうだ。俺は海賊船からしけの海に飛び降りたんだった。そりゃ死んで天国に来ていてもおかしくはないな。) トウゴは朧げに記憶を思い起こし、再び瞳を閉じた。 天国にいるわりには、相変わらず体中が軋む様に痛い。 (天国ではなくて地獄にいるのかもな。) 今までの人生を振り返り、周りの制止も聞かずに海軍と共に行動したり、城を抜け出しては朝まで飲み歩いたり、気に入った遊女たちと懇ろになってみたり、思えば自由気ままに生きてきたつけが回ってきたのだ。と、トウゴは自嘲気味に笑みを浮かべながら、罰を受ける覚悟を決めようとする。
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