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「よし!今日であの忌々しい海賊どもを一網打尽にするぞ!」
トウゴはそう叫ぶと、意気揚々と船に乗り込もうとする。
「ちょっとお待ちください、トウゴ様。この雲行きでは今宵から海は大荒れになります。」
船長が慌てふためいて、トウゴが乗船しようとするのを阻止する。
そう言われてトウゴは上空を見上げるが、空は雲ひとつなく晴れわたっている。
「こんなに晴れているのに荒れるのか?」
トウゴはふて腐れた様に船長の顔を睨む様に覗き込むが、船長は元々ある眉間の皺を更に深くして大真面目な顔で答える。
「はい。長年の経験からわかります。ですから今宵の航海は危険なものとなります。その様な日にこの国の大事な若君様を乗せるわけにはいきません。」
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